正しい竜の起こし方


 ピピピ ピピピ ピピピ ピピッ・・・。

音源を止めた白くて細い腕が、のろのろと布団の中へ引っ込む。
そのいつも太陽の香りのする布団は、わずかに、もぞ、と動いたが、
再び微かな寝息がもれてくるのに、そう時間はかからなかった。

―――数十分後。

「飛竜、いつまで寝てるの?早く起きないと遅刻しちゃうわよ。」
頭上から降ってくる声は、今日も清々しい。
しかし今だ夢の世界の住人である彼は、その台詞をも夢の中で聞いていた。
温かい布団に包まれ、そればかりか愛しい彼女の声までするとは、なんという贅沢な
夢・・・。

――バサッ!

「――っ!?」
「ほら、早く顔洗って、ご飯食べて。せっかくこんなにいい天気なのに、お布団が干せないわ。」
「・・・・・・・。」
覚醒し切らない頭でボ―ッとまわりを見まわすと、
さっきまで自分が包まっていたはずの布団を抱えた紅凰が笑って見下ろしていた。
「まだ寝ぼけてるの?本当に遅刻しちゃうわよ。」
繋がらない思考回路を必死に繋げ、その言葉の意味を反芻する。
・・・遅刻しちゃうわよ・・・遅刻しちゃう・・・遅刻・・・・・・・・・・・遅刻!?
「今何時っ!?」
「7時半。」
豹もかくやと言うような敏捷さで飛び起き、大急ぎで飛び出ていった彼を見送ると、
一人残された紅凰は、苦笑しながら部屋の窓を開けはなった。


***かとりせんこ。から。***
笑いました。いやもうホント笑い。マジ笑い。
可愛いですロニー・・・あの姿からは想像が付かない可愛さ(爆)。

これは・・・掲示板のキリ番リクエストのお返しとして(?)頂いたものです。「五人の体育祭」もとい『昊天罔極』中の「ロニー寝坊事件」の裏話と言うことですが・・・ちなみにこの後ロニーはチャリを立ちこぎして学校まで急いだようです(笑)。

ともあれ、素敵なSS本当にありがとうございました♪


→モドル
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